天理教の葬儀
世の中にはさまざま宗教、宗派があります。そのうちの一つが「天理教」です。奈良県に中心が置かれ、1800年代にまでその起源をさかのぼることができるといわれています。
今回は、この天理教の考え方、葬儀の特徴などについて解説いたします。
天理教の葬儀とは
天理教は江戸時代末の時代に中山みきを教祖として誕生した宗教団体です。奈良県天理市に本部があり、天理教の葬儀では魂の仮住まいとして神から借りていた古い身体を返し、新しい身体が見つかるまでの魂を神に預かってもらうための儀式とされます。
天理教の葬儀の特徴
天理教では、神様が人間に体を貸し与えているという考え方を持っています。神様は人間の親となり、その身を育み、さまざまなことを教えている、としているのです。このような考え方は、天理教の葬儀の内容にも現れています。
天理教においては亡くなることは「神様に体を返すこと」という解釈になります。神様に体を返した後に、また新しい体が見つかるまで、魂を神様にゆだねるという考え方をしているのです。これは「みたまうつし」と呼ばれる通夜にあたる儀式に象徴され、天理教の葬儀のもっとも大きな特徴です。
天理教は、神道の一種として考えられています。特に、昭和20年まではこの傾向が顕著でした。
このため、天理教の葬儀は神道と似たかたちをとることになりますが、相談する相手は「神社」ではありません。全国各地にある教会を対象とすることになります。
天理教の葬儀の流れ
天理教の葬儀の流れは、以下の通りです。
【通夜】
1.祓詞を奏上する
お祓いの言葉を述べます。
2.みたまうつし
魂を体から移し、神の御許へと届けます。
3.供物を供える~礼拝
供物を神前に供えたり、斎主が玉串奉献を行ったりします。また、「しずめの詞」を唱えます。これは、みたまうつしを完了させるための詞であり、非常に重要なものです。
4.列拝と玉串奉献
世話役による列拝が行われたのち、参列者による玉串奉献が行われます。喪主(喪家)が玉串奉献をするのもこのタイミングです。
【告別式】
告別式でも、供物をささげたり、告別式のための詞が奏上されたりします。また、玉串奉献も行うなど基本の流れは通夜と同様になります。
ただし、ここで挙げた流れは、あくまで一例にすぎません。同じ「天理教」でも、その葬儀のやり方には、ある程度の地域差などが存在します。
天理教での葬儀の香典マナー
香典には宗教ごとに表記などを適用したい部分があります。まず、天理教においては、蓮の花の書かれた香典袋は使いません。これは仏教の考え方によるものだからです。
表書きについては、神道に準じます。「御玉串料」「御榊料」「御霊前」などが一般的です。仏教ではよく使われる表書きである「御仏前」は、当然用いない方がよいでしょう。なお、この「御霊前」という表記は、天理教以外にもさまざまな宗教で用いられる表現でもあります。
水引きに関しては地域にもより、黄と白、あるいは黒と白、もしくは銀色のものを使います。これはどんな宗教でもいえますが、もちろん水引のかたちは結びきりです。
なお、香典返しの際には「偲草」という、ほかの宗教ではあまり使われない表記が用いられます。
天理教の玉串奉献のやり方と参拝方法について
天理教の玉串奉献のやり方について見ていきましょう。天理教の玉串のやり方は、神道のときと同じです。まず、両手で玉串を受け取ります。右手は手のひらを下に、左手は手のひらを上にして受け取るようにします。
この後、玉串を時計回り(右)に回して、祭壇側に茎を向けるかたちで静かに置きます。その後の参拝についてですが、これにも決まりがあります。
1.祭壇の前で2回礼をする(離れている場合は1礼とする場合もあり)
2.柏手を4回うつ(ひかえめな音)
3.一拝する
4.柏手を4回うつ(ひかえめな音)
5.一礼をする
非常に特徴的なのは、この「柏手」の部分です。通常の葬儀においては、柏手は「しのび手」といい、音を立てることはしません。しかし天理教の場合は、必ずしもしのび手でなくてもよいとされています。これもまた、天理教の葬儀の大きな特徴といえるでしょう。
天理教の葬儀で不安なことがあれば、まずは相談から始めよう
ここまで、天理教の葬儀について見てきました。ただ、ここで挙げた内容はあくまで一般的なものです。実際の葬儀においては、これに加えて地域差があり、それぞれの所属する教会の考え方の違いが多少生じたりします。このような点を解消するためには、ぜひ専門家への相談をおすすめします。
たとえば、葬儀社である公益社では、天理教の葬儀における「不安だ」「どうしたらよいのかわからない」に、的確にお応えいたします。見積もりについても細かく算出いたします。
葬儀の「わからない」は、そのままにしておくと後々まで後悔することにつながります。宗教的なこと、お金のこと、慣習のこと…。さまざまな「わからない」は、しっかり解消していきましょう。
「自分ができることをしっかりやった」「きちんと相談・学習した」という経験は、きっと後悔のないお見送りに繋がるはずです。
天理教の葬儀をお考えの方は、公益社にご相談ください。24時間365日ご相談を承ります。
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