月刊「仏事」において、書籍『グリーフケア』出版記念特別対談記事が掲載されました…

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2011.04.27
メディア掲載

月刊「仏事」において、書籍『グリーフケア』出版記念特別対談記事が掲載されました。

月刊「仏事」において、書籍『グリーフケア』出版記念特別対談記事が掲載されました。

グリーフケア -見送る人の悲しみを癒す- ~「ひだまりの会」の軌跡~

これからのグルーフケアを語る
燦ホールディングス株式会社 代表取締役社長 古内 耕太郎
関西学院大学准教授 坂口幸弘

燦ホールディングス株式会社の中核子会社、株式会社公益社では、社会貢献活動の一環として、グリーフサポート「ひだまりの会」の活動を2003年から続けている。遺族たちが死別体験を分かち合う「月例会」をはじめ、会員有志による「分科会活動」など、同会の会員数は現在600人を超える。さらに2010年には、悲嘆から“卒業”した有志によって、遺族の生活や人生を支援するNPO法人「遺族支え愛ネット」も誕生した。こうした活動で蓄積された経験がこのほど、『グリーフケア -見送る人の悲しみを癒す- ~「ひだまりの会」の軌跡~』という一冊の本となった。学術的な視点からグリーフケアと葬儀との関連性について述べられているだけでなく、「ひだまりの会」を通じてこれまで行われてきた取り組みも詳細につづられている。
今なぜグリーフケアが注目されているのか、また今後、グリーフケアはどのような進化を遂げようとしているのか、著者である燦ホールディングス株式会社の古内耕太郎社長と関西学院大学の坂口幸弘准教授に語り合ってもらった。

― この本を出版された狙いについてお聞かせください。

▼古内
最近、葬儀がマスコミを通じて議論されることが多くなりましたが、その議論のほとんどは価格や形といった部分にばかり焦点が当てられていて、葬儀の役割については、あまり議論がされていないように感じています。
葬儀の本来の役割は、ひとつは故人を尊厳ある形であの世へと送ることであり、もうひとつは、ご遺族や故人と近しい人の悲しみのケア、グリーフケアであると思います。その意味で、最近話題になっている直葬や家族葬は、消費者にとって「わかりやすい」という便宜的な価値は向上しているように思えますが、葬儀の本来の役割が機能しない葬儀の内容になってしまっている危機感を感じています。
このような傾向の中で、葬儀の大切な役割のひとつであるグリーフケアについて取り上げることでマスコミや消費者の皆さんの葬儀に対する視点が変わるかもしれないと思い、今回の書籍を書かせていただくこととしました。
 ただ、「グリーフケアは大切ですよ」と葬儀社の私が発言しても、それが自己満足になってしまっては意味がありません。そこで、グリーフケアが学術的にどのようなものかということや、またそうしたことが社会を生きる人々にとってどのような意味があるのかといったことを体系的に書くことで、この本の価値は高まると考え、坂口先生にも執筆をお願いして共著にさせていただきました。

▼坂口
グリーフケアの専門的な本や、遺族の体験談といった本はあります。葬儀との関連性に関しても個別の事例的なものはあるかもしれません。しかし、グリーフケアと葬儀に焦点を当て、その関連性について体系的に述べたものとしては、おそらく本書が初の試みでしょう。
 今、グリーフケアという取り組みが注目されていますが、そのひとつの新しい形として、「ひだまりの会」という試みがあると思っています。
 私はもともと、ホスピス、つまり医療現場でのグリーフケアにかかわるようになり、それから市民活動のセルフヘルプ・グループ、そして「ひだまりの会」にかかわらせていただいていますが、グリーフケアそのものは、まだ定まっていないと思っています。海外の研究もたくさんあり、いろいろな仕組みもあるのですが、日本の文化に応じた形というものがあるはずだと。その中で、葬儀や法事というのは日本の特徴的なグリーフケアだと思っています。
 グリーフケアの可能性を広げるという意味で、「ひだまりの会」にはいろいろなことを試行錯誤してきたという、チャレンジの歴史があります。その過程は、これからのグリーフケア全般を考える上で、非常に意味のあることです。それを私たちだけの中で留めておくというのは、もったいない。広く共有したい。グリーフケアとして、このような取り組みも考えられるのではないかという、提案にもなると思いました。
 もちろん、これが正解ということではありません。今後議論をしながら、「ひだまりの会」のように特別な仕組みだけでなく、生活や文化に根付いた葬儀であったり、仏壇の役割であったり、そうしたこともすべて含めて、ご遺族のために何ができるかを考えていきたいと思っています。

― なぜ今、グリーフケアが注目されるようになったのですか?

▼坂口
これまでグリーフケアというもの自体を知らない人が多かった中で、「こういうものがあるなら自分も参加したい」という声が上がってきたこともあるでしょう。一方で実際にニーズが増えてきているという面もあると思います。
 例えば、最近では世帯員数が減少しています。昔は大家族で三世代が一緒に暮らしていたものが核家族になり、今では夫婦二人暮らしになりました。一方が亡くなると一人暮らしになってしまうというように、家族の構造が変わり、家族の支え合う力が弱くなっている。さらに、近隣とのつながりも薄くなっている。結果、周囲の支えという意味で、身近なところでは受けられないサポートを必要としている人が増えてきている、ということも考えられます。

▼古内
また、葬儀の変遷ということも関係していると思います。
 昔は、葬儀は村などの地域社会で行われていました。地域ごとに一定の型がありそれにのっとって行われていましたが、大都市圏を中心に地域社会というものが機能しなくなるにつれて、葬儀も地域単位で行われるものから家庭単位で行われるものへと変化してきました。そして、現代においては、いろいろな葬儀の形を消費者が要望するようになって、それを葬儀社が限られた時間の中で実現しなければならない時代になっています。
 しかし、現場のスタッフたちは、ご遺族とのかかわりの中でいい葬儀と残念な葬儀を肌で感じています。その違いはどこにあるのかというと、遺された方の心のケアの仕組みがその葬儀の中で機能しているかどうかということです。
 これまでは、地域ごとにあった葬儀の型の中で、地域の方々や親せきたちが支えてくれたり、あるいは宗教者が深くかかわったり、徐々に心のケアをしてくれる仕組み、いわゆる文化が機能していました。それが今、社会環境の変化と共に機能しなくなってきているように思います。昔は先人が作った仕組みが上手く機能していたから、グリーフケアということを言わなくても良かったのが、今、議論しなければならない時代になったということです。
 では、グリーフケアについて誰が真剣に考えて、ご遺族をサポートしていくべきかということを考えたときに、葬儀社が携わっている範囲で出来ることもあるのではないかと考えました。

― 具体的にはどのようなサポートをされているのですか?

▼古内
葬儀社としてできるグリーフケアを、これまでひとつずつ具現化してきているというのが実際です。例えば、葬儀の現場における「人によるホスピタリティサービス」があります。一人ひとりのお客さまの特性に合わせたサービスを、葬儀の現場でカスタマイズして提供することによって、一人ひとりのお客さまに最適なサービスを提供することにより、グリーフケアにつなげるということです。これは、創業当初から心掛けてきた「まごころ葬儀」の形です。
「エンバーミング」も、もちろん修復、防腐、感染防御といった目的もありますが、グリーフケアにとっても非常に重要であり、効果が高いと考えています。
「ひだまりの会」も、悲嘆の度合いが高い人に対して葬儀の後にケアをしていくプロセスとして、同じ体験をした人同士が、気持ちを分かち合うところからスタートするということに意味があります。そこからそれぞれの状態に応じたケアの仕方をプロデュースしていくことで、お役に立てると思っています。
つまり、グリーフケアの試みというのは今始まったものではなく、徐々に進化させてきているということです。形を変えずに残すべきものと、時代の変化に合わせて変えていくべきものを考えて、取り組んでいます。

― 時代に合った役割の中で、「ひだまりの会」も自然発生的に生れてきたということですか?

▼坂口
「ひだまりの会」に限らず、セルフヘルプ・グループというのも自然発生的に生れています。やはり、大切な人を亡くした方が、同じような体験をした仲間を募って組織が作られていったのが当事者の会です。「ひだまりの会」も、そのようなご遺族の方の声が集まって、これまで続けてこられたのではないでしょうか。
 一方的にこちらから与えるだけでは、ここまで続かないし、ここまで広がらなかったと思います。

― 葬儀でのお客さまに対する接し方と、グリーフケアとして遺族に対する接し方では違うということですか?

▼古内
心の状態の違いがあると思います。
家族を失った直後というのは混乱状態にあって、そのような状態で、「ひだまりの会」のような働き掛けをしても、聞いてはもらえません。やはり、葬儀の仕組みの中でケアするということが大切ですし、また初七日、四十九日、一周忌というプロセスの中で、ご遺族の心の状態に応じてどのようなケアが必要かということを考えなければなりません。
すると、さまざまなケアの仕組みというものが考えられます。葬儀のスタッフの人的サービスも大切ですし、ご遺族に語り掛ける言葉も重要になります。葬儀の空間作りもそうです。
葬儀社のスタッフたちは悲嘆の状況にあるご遺族に、他人としては近い位置にいる存在であり、また葬儀を通じて信頼関係も生まれています。ゆえに、われわれが果たすべき役割として、グリーフケアの重要性が高まってきているということだと思います。

― 「ひだまりの会」が発展してライフサポートも生まれています。

▼古内
これも社会環境の変化が影響していますが、ご遺族を見ていると配偶者を亡くされている方が多く、その後の一人暮らしをする人が増えています。すると、何事も自分でやらなければならなくなります。しかし、今日本で亡くなられる方の50%以上が80歳以上の方々です。つまり、遺された配偶者も80歳以上という可能性が高いわけです。この年代の方々にとっては蛍光灯一本、交換することも大変です。日常生活を送る上で、サポートが必要な世代なのです。
 しかし、そのようなサポートをしてくれるお子さまや親せきは近くにいない。では、地域の方に気軽に頼めるかといえば、頼めない。だれが助けてくれるのかということです。
 そういう方々をたくさん見ていて、ではわれわれの役割は何かと考えたときに、これまでは心のケアまでを行っていたけれど、その先の生活の部分まで支援するという役割もあるのではないかと。そのような発想で、ケアの幅を広げていこうということです。

▼坂口
身近な人の死を経験した際に、まず向き合わなければならないのは、その死をどう受け止めるかということ。その死の意味を問うということです。これは重要なことで、簡単なことではありません。
 しかし、一方でこれからの人生を歩んでいく、その手伝いをするということも重要です。なぜなら、死別によって遺された人の人生が終わるわけではないからです。
「蛍光灯を換える」という問題は、「大変ですね」と悩みを聞いてもそれだけでは解決しないわけです。このような場合には、具体的、問題解決的なサポートも必要になります。
 遺族の求めるものはその時期によって変わります。それが、こちらが提供するものと合致すれば、相手にとって良い援助になるということですが、不幸なことにかみ合わないということもあります。ですから、選択肢があって、それぞれのご遺族が自分にとって必要なものを選べるという状態が一番望ましいと思います。
 そのような意味で、「ひだまりの会」にはいろいろな選択肢があります。その選択肢も、そ遺族の方々の声を拾うことで広がってきたというのが、今の「ひだまりの会」の姿です。
 それがさらに広がって、ご遺族たちの「サポートを受ける側から自分たちがサポートをする側に回りたい」という思いから、NPO法人「遺族支え愛ネット」が生まれました。

― NPO法人「遺族支え愛ネット」には、どのような狙いがあるのですか?

▼古内
ご遺族の方々が自ら「サポートしたい」と思って、自発的にNPO法人を立ち上げたということ意味があると思います。
 時代と共に失われてきた共同体が、「ひだまりの会」の中で育って、新しい共同体として生まれたということです。組織はつくれますが、共同体は自然に発生しなければ生まれません。「遺族支え愛ネット」はその名の通り、ご遺族が自分たちを支え合おうと生れた共同体だからこそ、価値があるのではないでしょうか。
 そこには、経済合理性といったものはありません。支えようとする相手の中にかつての自分の姿を見て、その人を癒すことで、実は自分も癒されるということだと思います。

▼坂口
「死の意味を問う」というのは非常に難しいテーマですが、自分の死別体験をそこで完結させるのではなく、さらに広く社会に還元していくというところに、意味を見い出すという人もいます。NPO法人を立ち上げた人たちは、決して特殊な人ではありません。そのような思いを持っていた方はたくさんいます。いるけれど、そのような思いを生かす「場」がなかった。それが共同体としてNPO法人が生まれたことで、「場」が出来たと考えています。

― 医療関係者との連携にも取り組まれていますね。

▼古内
グリーフケアをテーマにして、医療関係者にさまざまなコンテンツをセミナーという形でご提供しています。1年前から始めていますが、関西圏だけですでに1万人が参加しています。
 そのきっかけというのは、そもそもグリーフとはどこから始まるのかと考えたときに、死を予期した時点で始まっていると感じたからです。われわれがお客様とかかわれるのは、お亡くなりになった後です。しかし、死を予期した時点で、すでに普段とは違う気持ちになっている方もいらっしゃる。
 われわれよりも早い段階でかかわっている医療関係者の方々にもグリーフケアの考え方を共有していただいて、連携してご家族およびご遺族のケアをしていくことが社会的にも重要ではないかと思い、スタートしました。
 医療関係者と供養業界の人間がグリーフケアの問題について、どのように連携して課題対処していくかということを考える時代ではないかと。そのような意味で、試行錯誤でセミナーをスタートさせて、課題共有から始めているというのが実際のところです。まずわれわれに出来る情報共有から始めたというわけです。

― 具体的には、どのような情報を提供しているのですか?

▼古内
例えば、私自身義父を失ったときに、亡くなる直前と直後で看護師さんの動きが明らかに違うということを体験しました。
 看護師さんは、患者さんが生きている間は丁寧に「目の前に人がいる」という前提の下で作業をしています。しかし、亡くなって10分後には、完全に「そこに人はいない」という前提の動きになります。
 それは意識的なものではなく、無意識のうちに習慣となっているものです。医療関係者には悪気がないのに、気付かないうちにそのような動きになっている場合があるのです。
 知らず知らずのうちにマイナスの影響を与えているシーンもあるということを葬儀社であるわれわれが医療関係者に伝える。「そんなことはありませんか」と問い掛けることで、医療関係者は「言われてみればそうかもしれない」と、気付かれるわけです。そして、その気付きが、医療関係者のグリーフケアの参考にもなるわけです。

▼坂口
看護師さんは、亡くなられた方のご遺族にどう接すればいいんだろうと悩まれたり、ご遺族はその後どうしているんだろうと気になっているのだと思います。だからこそ、たくさんの方がセミナーにも参加されるわけです。
 しかし、病院の通常業務の中では、出来ることと出来ないことが当然あります。そして出来ないことを連携して補うということが大切なのだと思います。例えば、ご遺族の中には「誰にも会いたくない」という方もいらっしゃいますが、そのような方々にどのようにアプローチするかということも重要なテーマです。その点、葬儀社はご遺族との間に「葬儀」という接点があるので、「ひだまりの会」で行っている「見守りコール」のように、遺族に対して積極的な働きかけができます。

― 今後、グリーフケアをどのように進化させていく予定ですか?

▼古内
坂口先生がおっしゃるように、現場の看護師さんや葬儀社のスタッフには、ご遺族と触れ合う中で、「やりたい」と思うことってたくさんあるんです。しかし、仕事の特性上できない。だからこそ、私は医療業界や葬儀業界と、いろんな業界が組織として、仕組みとして連携できるような方向に進化していくと良いなと、そこにつながっていって欲しいなと思っています。
 今回出版した本も、現場の方々だけでなくそれぞれの組織のリーダーにもお読みいただくことで、「われわれの業界も仕組みとして、ほかの業界と連携しなければならないな」とお考えいただけると、ありがたい。そこに、坂口先生とこの本を書いた意義があると思います。

▼坂口
今、古内社長がおっしゃったのはとても大切なテーマです。そして、もうひとつ、そこに並列してある大きなテーマが、グリーフケアの文化の部分です。
 グリーフケアとして、特別なことは仕組みの部分で連携してやっていかなければならない。しかし、文化の部分は特別なことが必要なわけではない。ただそばにいる、じっくり耳を傾けるといったベースの部分。このベースを根付かせていくということもひとつの方向性だと思います。
 ですから、今後は、グリーフケアの文化的な部分を広めていくことと連携という仕組みを作っていく、この2つの方向性が考えられると思います。
 ケアの出発点は何かというと「気付き」です。いくらケアと言っても、困っている人に気付かなければケアは進まないわけです。
 本当にちょっとしたことでも気付けるかどうか。その辺りの知恵をお互いに共有できれば良いと思いますし、それが文化として広がっていくということではないでしょうか。

― 本日はありがとうございました。

上記、記事について無断で複製、送信、出版、頒布する等著作権を侵害する行為を禁止いたします。
月刊「仏事」2010年4月号
この記事は、鎌倉新書の許諾を得て掲載しております。

月刊「仏事」 書籍 『グリーフケア』出版記念特別対談記事

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